「生成AIと今までのAIは何が違うのだろうか」
「無料で試せる生成AIを知りたい」
「生成AIの活用例は」
生成AIは文章生成や画像生成などを自動で行い、仕事の生産性を上げたり、生活を便利にしてくれたりするツールです。OpenAIのChatGPTが公開されてから、世界中で話題となっています。
生成AIができることや活用例を知り、自社でも導入したいと考えている会社員や経営者の方もいるでしょう。

そこで本記事では『2030未来のビジネススキル19』の著者で、未来予測のプロであるフューチャリスト友村晋が以下の内容を解説します!
- 生成AIの仕組みやAIとの違い
- 生成AIの種類やできること
- 無料で使えるAIツール5選
- 生成AIのビジネスでの活用例5つ
生成AIは今後さらに発展し、生活になくてはならないものになるのは確実です。基本や活用例を理解し、仕事や生活に導入するための参考にしてください。
なお近年では、大手企業や東京都をはじめとした自治体も生成AIを業務効率化に活用し始めています。
一方、自社で取り組むのに何から始めればいいのかわからないという声も多く聞かれるのが現状です。



そういったお困りの企業や団体向けに、生成AIに関する基礎知識を一気に学べるセミナーを開催しています!
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「生成AI」の仕組みや「従来型AI」との違いを簡単に解説
「生成AI」は、仕事の効率化やクリエイティブな作業をサポートしてくれるとして、今後の発展が期待されています。一方、すでに身の回りで活用されており、生活を便利にしてくれているのは「従来型AI」です。
ここでは以下の3つについて解説します。
- 生成AIの仕組み
- 従来AIと生成AIの違いとは
- 生成AIとChatGPT
生成AIの基礎知識をそれぞれ解説しますので、活用の参考にしてみてください。
1.生成AIの仕組み
生成AIは「ジェネレーティブAI」とも呼ばれ、さまざまなコンテンツを生み出せると注目されています。大量の学習データをもとに、テキストや画像、音声など新しいアイデアを生成します。



ChatGPTや最近話題となっているGoogleのGeminiは、テキストを入力すると人間らしい回答が得られるのが特徴です。
専門知識がなくても、誰もが簡単に利用できるのもすばらしいポイントです。
生成AIには、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる機械学習の手法が用いられています。
データから機械が自動で学習しルールやパターンを発見する方法
ディープラーニングを活用すると、学習したデータをもとにAI自身が最適な回答を探しだし、新たなコンテンツを生み出してくれるのです。
2.従来型AIと生成AIの違いとは
従来型AIと生成AIの違いは、以下の図の通りです。
従来型AI | 生成AI | |
---|---|---|
定義 | 学習したデータをもとに新たなカテゴリがどこに属するか判別 | データを学習し、新しいアイデアを生み出す |
目的 | 決められた行動の自動化 | 新たなコンテンツの作成 |
機能 | 顔認識 物体認識 テキストの分類 | テキスト生成 画像生成 動画生成 音声生成 楽曲生成 |
2つの大きな違いは「新しいアイデアを生み出せるかどうか」です。
従来型AIは、学習データを記憶・知識化し、最適な回答を生成します。決められた行為の自動化が目的であるため、新しいアイデアは生み出せません。
一方生成AIは、情報の特定や予測ではなく、新しいアイデアを生み出すことを目的としてデータを学習します。



学習データをもとに、多様なオリジナルコンテンツを生成できるのが強みです。
3.生成AIとChatGPT
ChatGPTは、OpenAI社が開発した生成AIです。2022年11月に公開されてから、わずか2か月でユーザーは1億人を突破。現在は無料版のGPT3.5と有料版のGPT4がリリースされています。
ユーザーがテキストでプロンプト(指示文)を入力すると、文章で回答が得られるテキスト生成AIです。



言語で入力するため利用のハードルは低く、手軽に利用できますよ。
個人での情報収集や学生の学習支援、企業でのコンテンツなどで役立てられ、生活をより豊かにしてくれています。ただし、ChatGPTをはじめとする生成AIは、情報漏えいなどのリスクもあるため正しく使用するのが重要です。
使いこなすためには、仕事や生活に取り入れて、慣れることから始めてみてください。
なおChatGPTの危険性は、関連記事「【徹底解説】ChatGPTがもたらす5つの危険性|メリットや使いこなすコツも紹介」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。


生成AIの種類やできること
生成AIは、目的に応じ使い分けることで希望に近い成果物やアイデアを得られます。テキスト生成については身近になり、使用したことがある方もいるのではないでしょうか。画像生成や動画生成の技術も急速に進化しており、SNSなどでも制作物を見る機会は増えています。
生成AIの種類は以下の5つです。
- テキスト生成AI
- 画像生成AI
- 動画生成AI
- 音声生成AI
- 楽曲生成AI
それぞれできることを解説しますので、仕事や生活場面での活用を検討してみてください。
1.テキスト生成AI
生成AIでもっともポピュラーなのは、テキスト生成AIでしょう。ユーザーがフォームに「プロンプト」と呼ばれる指示文を入力することで、新しいテキストを生成できます。



ChatGPTやGeminiは入力したテキストに対して、人間のように自然に回答してくれますよ。
役割を与えたり、プロンプトを具体的にしたりすることで、理想に近いテキストが生成されます。活用例は以下の通りです。
- 文章の作成
- 長文の要約
- 翻訳
- キャッチコピーの作成
- プログラミングコードの生成
ユーザーが繰り返し利用することで、回答の精度が高まるようになっています。ただし、常に新しい情報が更新されているわけではないので、正しい情報かどうか確認が必要です。アイデア発想に役立つため、今後もビジネスや生活で利用の拡大が見込まれます。
2.画像生成AI
画像生成AIは、テキストや画像データをもとに、オリジナリティのある画像を生成するシステムです。テキストを入力すると、短時間で新しい画像を生成してくれます。



人物画や風景画にも対応しているため、ビジネスのほか趣味で活用している人もいます。
Stability AIの「Stable Diffusion」やMidjourneyの「Midjourney」、OpenAIの「DALL・E3」が代表的な画像生成AIです。活用例は以下の通りです。
- クリエイティブな業務の支援
- ホームページの背景画像
- SNSのアイキャッチ画像
英語での入力が必要な場合もありますが、できるだけ具体的に入力すると、想像以上にリアルな画像を生み出してくれます。
3.動画生成AI
動画生成AIは、テキストや画像データをもとに動画を生成します。



Runwayの動画生成AI「Gen-2」は、テキストから動画を生成したり、画像から動画を生み出します。
企業のプロモーション動画などに活用されており、今後も活用の場は広がっていくでしょう。
2024年2月、OpenAIは「Sora」を発表。2月時点では一般で使用できない状況ですが、最長1分のビデオを生成できるとして注目されています。
以下はOpenAIが公開したSoraによる動画です。
実際に撮影したかのような動画で、どれもとてもリアルですね!
4.音声生成AI
音声生成AIは、テキスト入力したものを学習した音声で読み上げます。また、特定の人の声を学習させると、本人が話しているように再現します。
GoogleのText-to-Speech AIはテキストの音声変換が可能です。



50以上の言語と言語変種、380以上の音声から選択でき、人間に近い声を実現するとしています。
活用例は以下の通りです。
- オーディオブック
- 音声アシスタント
- カスタマーサービス
コンタクトセンターの音声botや医療・福祉での利用拡大が期待されています。
5.楽曲生成AI
楽曲生成AIは学習した音楽データからパターンを認識し、新しい音楽を生成します。
ユーザーが音楽のジャンルやスタイル、雰囲気などを選択すると自動で楽曲を生み出す仕組みです。既存の楽曲をもとにして、新しい楽曲を生成することも可能です。



ただし、自動作曲されたメロディは単調になりやすいため、しばらくは人間の手を加える必要がありそうです。
代表的な楽曲生成AIは、Stability AIの「Stable Audio」やAmperの「Amper Music」、SOUNDRAWの「SOUNDRAW」です。
作曲家やミュージシャンの楽曲制作の補助に活用されています。
なお、急速に進化してきた生成AIはビジネス活用にも注目されており、大手企業がつぎつぎと導入に踏み切っています。



そのため「自社でもそろそろ活用を検討したい!」「これから社会に出ていく学生に興味を深めてもらいたい!」という方は多いのではないでしょうか!
そこで、ぜひ友村晋が開催している生成AIセミナーを活用してください。商工会議所や自治体での講演実績もあります。
生成AI登場後の未来を生き抜くためのスキルについて、経営者や社員、学生向けにわかりやすくお話ししますので、ぜひお気軽にご相談ください。
無料で使えるAIツール5選


急速に拡大している生成AIですが、コストが気になって導入に踏み切れない方もいるかもしれません。とはいえ、生成AIは無料で使用できるものもあります。
そこで僕がおすすめする無料ツールを5つ紹介します。
- ChatGPT
- Gemini
- Text to Image
- Gen-2
- Text to Speech AI
それぞれができることや特徴を解説しますので、気になったAIからぜひ試してみてください。
1.ChatGPT(OpenAI)
ChatGPTはもっともポピュラーな生成AIで、先述した通り世界中の話題であり、登録ユーザーも増加しています。テキストを入力すると、人間と会話しているような自然な回答が得られます。



大量のデータを学習しており、質問の回答や文章の生成、翻訳、コード生成などが可能です。
簡単に登録でき、GPT3.5は無料であるため、生成AIが初めての方にもおすすめです。
有料プランでは「DALL・E3」のような画像生成AIも活用できるため、クリエイティブの幅を広げられるでしょう。
なおChatGPTの使い方や活用例は、関連記事「【初心者必見】ChatGPTができること7選!使い倒した筆者が宇宙一わかりやすく解説」で解説しています。ぜひ参考にしてください!


2.Gemini(旧Google Bard)
Geminiは、2024年2月「Bard」から名称が変更になりました。文章の生成や要約、翻訳、画像認識などで活用でき、Googleの多彩なツールと連携できるのがメリットです。Googleのアカウントがあれば、簡単に利用できます。



GメールやGoogleドライブ、Googleマップなどと連携して操作できるため、Googleツールのユーザーにとっては嬉しい機能といえるでしょう。
無料版では文章の生成や旅のプラン作成、質問の回答などが可能です。
3.Text to Image(Canva)
Text to ImageはCanva社が提供しているAI画像ツールです。テキストを入力するだけで新しい画像を生成します。
SNS投稿やYouTubeのサムネイル作成、名刺のデザインなどに活用されています。Canvaではほかにも「DALL・E」「Magic Media」「Mojo AI」「Melody Muse」などの生成AIも利用可能です。



無料で利用する場合は一定の回数制限はありますが、多用しない人であれば試しやすいでしょう。
4.Gen-2(Runway)
Gen-2は、Runwayが開発した動画生成AIツールです。専門的な知識が不要で、テキストを入力すると数分で動画を生成します。



テキストからだけでなく、画像からでも動画を生成できるのが特徴です。
現在は数秒の生成ですが、今後は長尺動画の生成も可能になるのではと期待されています。ただし、テキストは英語で入力する必要があるため、使いにくさを感じる方もいるかもしれません。
そういうときは、プロンプト生成用のAIを活用しましょう。たとえば、Quora(クォーラ)社が提供する「Poe(ポー)」では、Runway用のプロンプトを生成するAIチャットボットを提供しています。
生成AIを使いこなすために、さらに別の生成AIを使用するといった使い方も登場してきていますよ。
5.Text-to-Speech AI(Google)
Text-to-Speech AIは、Google社が提供している音声サービスです。50以上の言語に対応可能で、人間に近いオリジナルの音声を生成します。



Google Cloudに登録し課金を有効にすることで利用できるようになります。
音声への合成のためにサービスに送信された文字数に基づき、月単位で請求されます。毎月100万文字(または400万文字)までが無料で、制限数を超えると課金される仕組みです。
生成AIのビジネスでの活用例5つ


生成AIをビジネスで活用する企業は増えていますが、まだ一部の企業でしか活用されていない状況です。
ビジネスでの代表的な活用例は以下の5つです。
- コンテンツ作成のサポート
- 自動応答のチャットボット
- サービスや製品の自動開発
- 業務の効率化
- 顧客との関係性強化
生成AIの活用によりさまざまな効果が期待できます。活用例を知り導入する際の参考にしてください!
1.コンテンツ作成のサポート
記事タイトルや見出しの作成、商品の説明文作成をサポートしてくれます。
学習データから効果的な文章を作ってくれるのがメリットです。イラストやBGMも生成AIで作成できるため、外注費や人件費の削減も可能です。生成AIは人間が時間をかけて行っていたことを短時間で行います。



人間は人間しかできない課題発見やアイデア創出に時間をかけられるようになりますよ。
2.自動応答のチャットボットの構築
カスタマーサービスのサポートでの活用が可能です。生成AIを利用したチャットボットは、顧客からの問い合わせや質問に対しリアルタイムで対応します。



待ち時間なく対応できるため、顧客満足度の向上が見込めます。
カスタマーサポート担当者の負担軽減にもつながるでしょう。
3.サービスや製品の自動開発
サービスや製品の自動開発に役立ちます。



生成AIは顧客からの問い合わせや質問、意見などを学習しています。
学習データより傾向などを分析し、新しいアイデアを生み出してくれるため、新製品の開発や機能改善をサポートしてくれます。
4.業務の効率化
生成AIを利用すると、ルーティン業務の効率化につなげられます。
たとえば会議の議事録で文字起こしの生成AIを活用すると、録音データから自動的に議事録を作成してくれます。文字起こしツールは以前より精度が向上し、前後の文脈から正しい言葉を選び、テキストに変換できるようになりました。



人間による手間を減らせるため、業務の効率化が期待できます。
5.顧客との関係性強化
顧客との関係性の強化にも活用できます。生成AIは顧客の年齢や購入履歴、好みなどを分析し、それぞれに適した商品やサービスの提案を行ってくれます。



満足度やサービスの質の向上につながり、購買率の向上も期待できるのです。
生成AIは、僕たちの生活や仕事でのクリエイティブな領域をサポートしてくれます。
今後も進化していくことは確実であるため、まだ使用したことがない人がいれば、まずは無料版からチャレンジしてみてください。生成AIをうまく使いこなし、僕たちは人間にしかできない課題発見力を磨いていきましょう!
僕の書籍ではAIに仕事を奪われるのではなく、使いこなす側に回るためのスキルを紹介しています。AI時代を生き残るために、ぜひお読みいただけるとうれしいです!
なお、AIやRPAが発展する未来で生き残るための情報は「フューチャリスト友村しんのYouTubeチャンネル」でも発信しています。
今後のキャリア戦略の検討に、ぜひご活用ください。
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社員や学生に「生成AI利用への抵抗や不安を解消して、使いこなせるようになってほしい!」と考えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!