「DXの必要性やメリットについて知りたい」
「DXの具体的な導入方法を知りたい」
「DXの導入によって自社の業績を向上させたい」
DX化を成功させるためには、DXの必要性や具体的な導入方法を知る必要があります。
一方で「本当にDXを導入する価値はあるのだろうか?」と悩んでいる人も多いのではないのでしょうか。
そこで本記事では『2030未来のビジネススキル19』の著者で、未来予測のプロであるフューチャリスト友村晋が以下の内容を解説します!
- 中小企業のDX化が必要な理由3選
- DX化によって起こるうれしい変化3選
- 成功させるためのポイント3選
- 中小企業のDX化の進め方
DXを成功させるコツやDX化の進め方を知って、10年後にも生き残れる会社をつくりましょう!
中小企業のDX化が必要な理由3選
ここでは、中小企業のDX化が必要な理由を紹介します。
- 10年後に生き残れなくなるため
- 業務の効率化をはかるため
- 優秀な人材を確保するため
DX導入を検討する際の、参考にしてもらえれば幸いです。
1. 10年後に生き残れなくなるため
「自社は10年後も存続できているだろうか?」「10年後も今の事業1本でやっていけるだろうか?」と感じているならば、その直感に従い、DX化を進めたほうがよいでしょう。
これからの1年は、過去10年間に匹敵するスピードで変化していきます。
変化の激しい現代では、いままであった仕事が社会に必要とされなくなったり、業界自体が消えたりする可能性が十分にあり得るでしょう。
ニューヨーク市立大学大学院センター教授であるキャシー・デビッドソンも、2011年8月のニューヨークタイムズ紙のインタビューで、以下のようなコメントを残しています。
2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学を卒業して社会人になるとき、2011年には存在していない仕事に就いているだろう
残念ながら「これまで10年・20年・30年大丈夫だったから、この先も大丈夫だろう」という考え方は、これからの時代には通用しません。
2030年以降も生き残るためには、新規ビジネスの立ち上げが必要不可欠です。それを可能にする一つの手段がDX化です。
経営者には健全な危機感が求められるでしょう!
2. 業務の効率化をはかるため
限られた資源(人や時間、お金など)を有効活用するために、業務の効率化をはかる必要があると考えているなら、DX化を進めたほうがよいでしょう。
同じ時間でより多くの仕事をこなせるようになったり、少ない費用で最大の売上をだすための対策をたてられたりができるからです。
- 手作業により時間のかかっていた業務を減らせる
- 成功確率の高いビジネスの立ち上げをおこなえるようになる
- 今の流行りやお客さんの求めているものを把握しやすくなる
- 一人ひとりのお客さんに合わせた商品・サービスの提供が可能になる
DX化を進めれば、人や時間、お金など限られた資源をムダにしてしまう機会を減らせるでしょう。
3. 優秀な人材を確保するため
「変化が激しい時代でも生き残れる会社になるために、能力の高い人材を確保したい」と考えているなら、積極的にDXの導入を進めたほうがよいでしょう。
DX化は優秀な人材を確保するための、有効な手段の一つになります!
DX化をおこなうと、
- 時代の変化に柔軟に対応できる企業
- 新しいスキルや知識を身につけられる職場
という印象を与えられるため、以下のような人材を確保できる可能性が高まります。
- 学習・成長意欲が高い人材
- 変化に対して前向きで柔軟な思考をもつ人材
- 最新のデジタルツールや技術を活用できる人材
企業の成長を支えるうえで、優秀な人材の確保は欠かせません。
DXの導入によって能力の高い人材が集まれば、他社との差別化が図れるアイデアを生みだせたり、業務の効率化による生産性の向上がのぞめたりするでしょう。
なお、DXについて「専門家から詳しく話を聞きたい!」という方は、出張講演も承っていますので、お気軽に問い合わせください!
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中小企業のDX化によって起こるうれしい変化3選
中小企業のDX化によって起こるうれしい変化は、以下の3つです。
- ITで楽して儲ける仕組みをつくれる
- ムダなアナログ業務を減らせる
- 従業員の働きやすい環境を整えられる
DX導入に迷っている人の、参考になれば幸いです。
1. ITで楽して儲ける仕組みをつくれる
中小企業がDX化をおこなうと、ムダな仕事をなくしつつ、効率的に収入を得るための仕組みをつくれるようになります。
なぜなら、DXを導入すると、時間や手間のかかる業務をなくせたり、成功確率の高いビジネスの立ち上げが可能になったりするからです。
ただし、DX化は一夜にして達成できるものではありません。ITで楽して儲ける仕組みをつくるためには、以下の段階を踏む必要があります。
- 第1段階:ITを活用して、脱アナログ化をする
- 第2段階:ITを活用して、楽して儲ける「仕組み」をつくる
- 第3段階:ITを活用して、楽して儲ける「体質」をつくる
ここでは、本・雑誌のレンタル事業をおこなっている会社を例に考えてみましょう。
- 第1段階:紙の本・雑誌をデジタル化する。本・雑誌を保管するための場所代が必要なくなる。
- 第2段階:デジタル化した本・雑誌をインターネット上で読めるようにする。発送業務や伝票業務などがなくなる。
- 第3段階:ビジネスを横展開して新しいサービスをつくる。ビジネス誌をレンタルした人に向けてオンライン英会話・サロンの広告を出す。
これらを当たり前のようにこなせる環境が、会社全体のルールとして根付いたときにDX化が完了したといえます。
DX化が完了すると、博打ではないビジネスアイデアをどんどん思いつくようになります!
2. ムダなアナログ業務を減らせる
DX化を進めると、ムダなアナログ業務を大幅に削減でき、より効率的な業務環境をつくれるようになるでしょう。
なぜなら、DXを導入すると、今まで人の手や力でしていた作業を、IT技術が代わりにおこなってくれるようになるからです。
たとえば、紙の書類をデジタル化すれば、インターネット上でまとめて管理できるため、
- 資料を印刷して保管する
- 必要な記録を棚から探し出す
といったアナログ作業をなくせます。
オンライン会議ツールを使用すれば、パソコンでの打ち合わせが可能になるため、場所の確保や資料の配布などの作業をする必要がなくなるでしょう。
DXを導入し脱アナログ化すると、社員がより価値のある業務に集中できるようになります!
3. 従業員の働きやすい環境を整えられる
従業員の働きやすい環境を整え、仕事へのモチベーションを向上させるための手段としても、DX化は大いに役立つでしょう。
DXの導入により、ワークライフバランスの改善につながったり、面倒でストレスがたまりやすい単純作業をなくせたりするからです。
たとえば、DX化によってリモートワークが可能になれば、
- 通勤時間を自分の時間にあてられる
- 通勤ラッシュに巻き込まれなくなる
- 自宅など好きな場所で働けるようになる
など通勤によるストレスがなくなり、出勤前のブルーな気持ちが軽減します。
ITツールの導入により、時間はかかるけど重要度が低い仕事から解放されれば、本当に取り組みたい業務に取り組めるようになるため、仕事への満足度が向上するでしょう。
働きやすい環境を整えると、従業員の定着率の向上にもつながります!
中小企業のDX化を成功させるためのポイント3選
中小企業のDX化を成功させるためのポイントは、以下の3つです。
- DXの定義を周知する
- 抵抗勢力と上手に付き合う
- 適切な人材を責任者にする
DXの導入を検討中の人は、ぜひ参考にしてみてください!
1. DXの定義を周知する
中小企業のDX化を成功させるためには、DXの定義を周知して、ハードルの高そうなイメージを変える必要があるでしょう。
私が考えるDXの定義は「ITを使って、楽して儲ける、体質をつくる」です!
とくに「お金がかかりそう…」「難しそう…」と感じている社員に対しては、手の届く範囲内で実施できる試みであるといった説明が不可欠です。
誤った理解のままDXの導入を進めると、企業全体が一丸となってDXに取り組むための土台を築けません。計画が途中で行き詰まる可能性が高いでしょう。
DX化を成功させるためには、社員の意識改革が必須と言えます。
2. 抵抗勢力と上手に付き合う
抵抗勢力との良好な関係づくりも、DX化を成功させるための欠かせないポイントです。
- 変化を嫌う人
- 危機感がない人
- 自分の立場が危うくなってしまう人
- 自分の仕事がなくなってしまうのが怖い人
彼らとの関係がうまくいっていない状態でDXの導入を進めてしまうと、あらゆる場面で妨害をうけてしまう可能性が高いでしょう。
以下に、抵抗勢力と上手に付き合う方法をまとめました。DX化をスムーズに進めるための参考にしてみてください。
- 抵抗勢力がいるものとしてDX改革をはじめる
- 反対する本当の理由を見抜く
- 「なぜ?」という質問を繰り返す
- プチ成功体験をみんなで祝う
- 仲間(共犯)にする
- DXの必要性を繰り返し伝える
- DX改革の必要性を示す
- DX改革の全容(ゴール)をみせる
- 頭ごなしに否定せずに共感する
DXを導入するときは抵抗勢力がいる前提ではじめましょう!そうした想定をしておかないと、メンタルがやられてしまいます…。
詳しくは関連動画「DX#5 DX改革の抵抗勢力を味方に変える9つのテクニック!この方法でDX責任者はどんどん推進できる!」で解説しています。ぜひ参考にしてください!
3. 適切な人材を責任者にする
中小企業のDX化において、責任者選びは非常に重要です。
人選を間違えると、
- プロジェクトが見当違いな方向に進んでしまう
- 各部署からの理解を得られず抵抗勢力が増大する
などしてDX化の成功確率がガクッと下がってしまうでしょう。
DXでは、多くの人の理解が追いつかないなかで、デジタルデータを活用した、新たな事業の立ち上げをおこなっていきます。
各部署との連携はもちろん、儲ける仕組みや集客手段、お客さんを満足させる方法なども考えなければいけません。
こういったなかで、DX化を成功させるためには、適切な知識・スキル、リーダーシップ能力をもつ人材を責任者に置く必要があります。
- 部長を超えたリーダーシップ力を持っている人
- リアルとネットを融合させた新たな事業を生み出せる人
- 数字(デジタルデータ)に強く、儲けるという感覚を持っている人
- 広く浅く各事業に携わり、各部署にいるスタッフについて知っている人
ただ単にITに強い人を責任者にしてしまうのはNGです!
なお「フューチャリスト友村晋のYouTubeチャンネル」では、DXやIoT、AIなどに関する最新情報を発信しています。変化の激しい現代を生き抜く力を身につけるノウハウもお伝えしているので、ぜひ以下のボタンからチェックしてみてください。
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中小企業のDX化の進め方!5ステップで解説
最後に、中小企業のDX化の進め方を5ステップで解説します。
- DXに取り組む理由を理解してもらう
- DX専門の部署をつくる
- どのような事業をおこなうか話し合う
- 最適なデジタルツールを導入する
- PDCAを回す
DXの導入をスムーズに進めるための、参考にしてもらえれば幸いです!
1. DXに取り組む理由を理解してもらう
DX化を進めるにあたり、まずは「なぜDXに取り組むのか?」の認識をすり合わせるための会議をおこないましょう。
DXと聞いただけでは、具体的に何がどのように変わるのかわかりません。
DXをおこなう理由が曖昧だと、抵抗勢力(変化を嫌う人や仕事を失う不安を抱えている人など)から、さまざまな手段で妨害を受けてしまいます。
会議では、DXを導入すべき理由を明確に定義し、社員全員の共通認識として理解してもらいましょう。
また、DXは目的ではなく、あくまでも設定したゴールにたどり着くための手段である点もしっかりと伝える必要があります。
2. DX専門の部署をつくる
DXに取り組むべき理由を社員に理解してもらえたら「DX事業部」をつくりましょう。
なぜなら「DX化=ITを使って楽して儲ける体質をつくる」ためには、中長期的な視点をもった経営が求められるからです。
DX化を完了させるためには、2〜3年くらいの期間が必要です。
加えて、DX専門の部署をつくる際は、適切な人材を事業部長に任命しましょう。
マーケティングの知識を持っている人や、会社の事業を広く浅く把握している人、普通の事業部長の10倍の人望をもっている人などが望ましいです。
3. どのような事業をおこなうか話し合う
DX専門の部署の立ち上げが完了したら、新規事業のアイデアを出すための会議をおこないましょう。
実際の事例をつかって話し合い(ブレインストーミング)をおこなうと、成功事例や失敗事例から学びを得られたり、現実的で実行可能な考えが浮かびやすくなったりします。
他業種のDX成功事例をみるのも有効な手段。発想の幅を広げられます!
なお、アイデア出しをおこなう際は、外部の人の力を借りたほうがよいでしょう。デジタルデータを活用して実際に利益を上げている人が適しています。
内部の人にはないアイデアを提供してもらえたり、見落としがちな問題点を指摘してもらえたりします。
4. 最適なデジタルツールを導入する
「なにを、どのようにして、誰に提供するのか」などのビジネスモデルが決まったら、導入するデジタルツールの選定をおこないましょう。
新規事業に対して最適なツールを導入すればOK!低価格なシステムでこと足りる場合も多々あります。
たとえば、通販ページの立ち上げをおこない、そこに既存のお客さんを集めたいなら、数十万円の新規サイト制作費ですみます。
LINEを利用した新サービスの展開をしたい場合であれば、お金をかけずに新規事業をはじめるのも不可能ではありません。
「デジタルツールの導入=お金がかかる」という概念は捨てましょう。
5. PDCAを回す
ここまできたら、あとは「やってみる」だけです!
たとえば、既存のお客さんのデータを活用するなら、LINEなどのツールを使ってアプローチをかけてみましょう。
メールマガジンを利用して、新サービスの案内をしてみるのも一つの手です。
とにかくPDCAを回して、トライ&エラーを重ねていきましょう。
試行錯誤の結果、売上をつくれるようになったら、DXの定義の第2段階(楽して儲ける)のクリアです。
第3段階である「体質をつくる」ために、
- アイデア出しをおこなう
- 最適なデジタルツールを選定する
- PDCAを回す
を繰り返して成功確率の高いビジネスをつくっていきましょう。
デジタルデータの活用によって、利益の生まれる新規事業を次々と立ち上げられる体質ができあがったら、DX化の完了です。
ぜひ本記事を参考に、DX導入のキッカケにしていただければ幸いです。
なお、こちらの記事「【セミナー講師直伝】DXのわかりやすい例を3STEPで解説!成功事例や身近な例もあわせて紹介」では、DXの定義や成功例について紹介しています。詳しい内容を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください!
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