「メタバースが騒がれているわりに普及していないのはなぜだろう」
「メタバースの現状と今後の展開が知りたい」
「メタバースは自分たちの生活にどう影響があるのだろうか」
メタバースという言葉はメタ(超えた)とバース(宇宙)の2語をかけ合わせた造語です。
今では多くの人が同時に参加できる仮想空間という意味で使われています。そんなメタバースですが、世間で取り上げられているわりには流行っていないなと思う方も多いでしょう。

そこで本記事では『2030未来のビジネススキル19』の著者で、未来予測のプロであるフューチャリスト友村晋が以下の内容を解説します!
- メタバースがすぐに流行らない3つの理由
- 【未来予測】メタバースが普及するのは5~8年後
- メタバースが流行る3つの理由
- 誰もやってないと感じるメタバースの今後が面白い
メタバースはすべての人が避けて通れないほどのインパクトがあると考えています。ぜひ現状と今後の展開を参考にしてみてください!
メタバースがすぐに流行らない3つの理由
メタバースがすぐに流行らないと考える理由は以下の通りです。
- ハードがまったく追いついていない
- アバターに違和感がある
- 脳や体への影響がまだわかっていない
1つずつ詳しく解説しています!
メタバースの詳細については、関連動画「2022年最新!メタバースとは?初心者にもわかりやすく解説してみた。中田敦彦さん、ひろゆきさんも大絶賛のメタバースで世界の未来はどう変わる?一緒に伸びる産業は?」でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください!
1.ハードがまったく追いついてない
ハードとはハードウェアのことで、メタバースにおいては仮想空間を見たり、空間内で行動したりするのに必要なVRゴーグルやコントローラーのことを指しています。
今はまだこれらが重たいうえに、Meta(旧Facebook社)が開発したVRゴーグルは4万円弱という価格帯になっています。高価かつ物理的に重たいというストレスを解消できない限り流行る未来はないでしょう。



また「流行る」「流行らない」という議論がよくされていますが、どちらもハード面がカギを握っています!
- 流行らない派の人へ:ハードの問題さえクリアできれば流行る
- 流行る派の人へ:ハードの問題をクリアできなければ不可能
どちらのスタンスにせよ、ハード面の視点を持ってほしいと考えています。
メタバースの現状をたとえるなら、日本での電気自動車の現状に似ています。車自体が高く、専用の充電スタンドが少ないため電欠を心配して避けている人もいるでしょう。
しかし、これらハード面をクリアできれば爆発的に電気自動車が流行る可能性を秘めているのと同様、メタバースが流行る未来も待っています。
2.アバターに違和感がある
私たちの分身であるアバターの違和感がなくならないと流行るのは難しいでしょう。
アバターはリアルではありますが、VRゴーグル(仮想を現実のように再現できる)内にカメラがついていないため目の動きを追えません。(※中には、瞳孔を追うセンサーが内部についている高額なVRゴーグルもあります。)
その結果、実際は寝ているのか起きているのかといった表情の判別ができなくなります。
リモート会議の定番はZoomですが、こちらであれば表情が見えるため会議もスムーズにいきやすいです。



コミュニケーションは言葉だけがすべてではないということです!
コミュニケーションの種類 | 伝わる内容の比率 |
---|---|
ノンバーバル(表情や身振り手ぶり) | 93% |
バーバル(言語) | 7% |
言葉以外で伝わることが多いコミュニケーションにおいては、アバターの違和感はまだまだ課題があると言えるでしょう。
ちなみにバーチャル空間はMeta社の提供するβ(ベータ)版(開発中のソフトウェア)で試せるので、ぜひ体感してみてくださいね!
3.脳や体への影響がまだわかってない
バーチャル空間はとくに子どもへの注意が必要です。
実際、長時間使うと、視覚の錯覚により酔っているような感覚になることがあり、目や脳の発達に影響するのではと考えられています。
たとえば、VRゴーグルによっては以下のような注意書きがあります。
- 30分以上プレイしないでください
- 13歳未満の子どもには使わせないでください



さらに、VRアトラクションを楽しめるバンダイナムコアミューズメントでは、7歳未満は利用不可。13歳未満は保護者の同意が必要となっています。
これらのことを考えると、すぐに流行るのは難しいと言えるでしょう。
【2023年時点の未来予測】今は流行らないと言われているメタバースが普及するのは5~8年後


2021年から私はメタバースが「流行る」と確信しており、2023年現在もその考えは変わっていません。しかし、その世界が訪れるのはハードの問題が解決し始めてくる5~8年後でしょう。
そして「流行る」定義は、ZoomやTeamsのようにリモート会議を頻繁にやるくらいのレベルで使い始めたタイミングと考えています。
ちなみに、文明の進化には2つの法則があります。
- 文明は人類が便利な方向に向かう
- そしてそれは元に戻らない(不可逆)
2007年ごろに流行ったメタバースの前進である「セカンドライフ」はシンプルに便利ではありませんでしたが、メタバースはとても便利です。使い勝手がよくて楽ができるのであれば、人類はその方向へ進み、元にはもどれません。
携帯電話がいい例でしょう。スマホが登場し、便利なのでみんなが使うようになりました。今からガラケーが流行り、スマホが衰退していく未来は想像しづらいです。



Meta社の提供するβ(ベータ)版はまだ改良の余地がありますが、それでもリリースしたのは「完璧を目指すよりまず終わらせろ」という企業風土にあります!
いくら「流行らない」と言われようと、代表のマークザッカーバーグは10年後の未来を見すえているんです。
たとえばiPhoneが出たころ、10年後におじいちゃんおばあちゃんがスマホで孫とLINEしたりYouTubeをみる姿が想像できたでしょうか。メタバースにも同じ現象が起きるだろうと確信しています。
このようなメタバースやChatGPTなどに関する最新情報は「フューチャリスト友村晋のYouTubeチャンネル」で発信しています。
新しい技術が次々と誕生する現代を生き抜く力を身につけるためにも、ぜひ参考にしてください。
\ 情報の勝ち組になろう /
メタバースが流行る3つの理由
私がメタバースは流行ると考える理由は以下になります。
- とにかく便利だから
- まるで同じ空間にいる感覚でリモート会議ができるから
- 難しい研修が簡単に行えるようになるから
1つずつ詳しく解説していきます!
メタバースが流行る理由については、関連動画「【後編】Facebookのメタバースを徹底解説で完全攻略!メタバースが流行るために超えるべき3つの壁とは?一緒に伸びる産業は?」でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください!
1.とにかく便利だから
実際に使ってみるとわかりますが、メタバースは本当に便利です。
自宅にいながら集まりに参加したり買い物を楽しんだりすることができます。場所を移動する必要がないので、時間の有効活用も可能です。



重要なことなので繰り返しお伝えしていますが、流行るためにはハードの問題をクリアすることが大前提なのは変わりありません!
具体的には、以下のような要因が障害になっています。
- VRゴーグルやコントローラーの重さ
- 五感の自然な再現
- 価格
これらをクリアしたとき、快適に使える環境が整い、より多くの人が使う未来が待っているでしょう!
2.まるで同じ空間にいる感覚でリモート会議ができるから
メタバースのリモート会議は、Zoom会議とはひと味違います。
Zoomは1人がしゃべっているとき、その他の人は聞き入ることが多く、特定の人とだけの会話はできません。



しかし、バーチャル空間であれば隣の人とひそひそ話しができます!
たとえば、右にいるアバターから話しかけられたら、右耳のイヤホンから声が聞こえるといった具合です。
そのため、ZoomやTeamsといったリモート会議に使えるツールは、Meta社の出しているホライズンワークルームを活用したバーチャル会議へと置き換わっていくでしょう。
3.難しい研修が簡単に行えるようになるから
メタバースは企業の研修にも活用できます。
リアルタイムに多人数でバーチャル空間に集まれるため、現地に足を運ぶ必要がありません。とくに危険な高所作業の研修などに対しては価値が高いでしょう。
事例を2つ紹介します。
事例 | 課題(解決すること) | メタバースでおこなうメリット |
---|---|---|
病院における問診の研修 | 実物の患者や病院では研修できる人数に限りがある | 同時に同じ目線から見てもらえる 都合の良い患者を用意できる |
建築現場 | 実際の高所での研修に危険が伴う | 歩行デバイスと組み合わせればリアルと同じ感覚を味わえる 何回も失敗して学べる |
このように、メタバースを利用することによって従来の研修の概念がくずれるでしょう。



もっと楽に、もっと多くの人に対して効率的に正しい情報を届けられます!
さまざまなVR機種の進化により、メタバースがどんどん流行っていくことでしょう。
誰もやってないと感じるメタバースの今後が面白い


バーチャル空間では五感の再現がとても大切となってきます。今後の展望として五感に焦点をあて、以下を紹介していきます。
- バーチャルグローブ(触覚)
- 歩行デバイス(聴覚・視覚)
- 売らないリアルのお店(嗅覚)
なお、これから解説する内容には、友村晋の独断や偏見も含まれています。これから解説する内容をヒントに、みなさんも一緒に未来を予測してみてくださいね。
1.バーチャルグローブ(触覚)
メタバースを先行して開発しているMeta社は、今より低コストでバーチャルグローブを出し、触るという感覚を再現してくるでしょう。
現在はコントローラーを介した動作になっているため、現実の感覚とは程遠い状態です。
しかし、メタバース内で触るという体験を気軽にできれば、活用の満足度は増し、利用者も増えるはずです。



バーチャル空間で固い、柔らかいというシンプルな感覚から、投げるという感覚まで味わえるようになるため、今後の展開が楽しみです!
2.歩行デバイス
バーチャルグローブの次にやってくるのが歩行デバイスです。
走ったり歩いたり、またはその上に車や自転車をのせるなど、1台でいろいろな用途に使える移動デバイスが出てくるでしょう。



高価なままでは普及しないため、バーチャルグローブと同じ流れで先行開発している企業が低コストで作ってくると予測しています。
歩行デバイスの進化により、仮想空間内での移動が現実世界と変わらないものになるでしょう。
3.売らないリアルのお店(嗅覚)
匂いの再現については、都内に3店舗、埼玉に1店舗を展開するシリコンバレー発のb8ta(ベータ)というお店で体感できます。
たとえば、チョコレートのボタンを押すと、機械の裏側でいろいろな化学物質を一瞬で合成して匂い(化学物質)を生成。これをVRゴーグルの鼻先につければ嗅覚も再現できます。



ちなみにb8taとは、最新のIoT(スマート家電などすべてのモノがインターネットにつながる技術)製品のテストを行いながらリアルの商品を訴求するだけの店舗(売らないリアルのお店)です!
実際にモノを売るのではなく、体験させてQRコードで買わせるというビジネスモデルです。まさに五感を刺激している代表的な例となります。
ちなみに、味覚の再現はまだ30年ほどかかると予測しています。味の合成はそこまで難しくないと想像しますが、食感の再現のハードルが高いためです。
とはいえ未来のバーチャル飲み会では、五感すべてが再現されて仮想のモノを口にして楽しむ世界が待っているかもしれません!?
本記事の内容を参考に、メタバースがどんな未来をもたらしてくれるのか、想像をふくらませてみてください!
なお、メタバースやITなどに関する最新情報は「フューチャリスト友村晋のYouTubeチャンネル」でも発信しています!動画は定期的に追加していくので、ぜひチャンネル登録をして、見逃さないようにしてくださいね!
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