「IoT技術に関心がある」
「IoT技術の具体的な活用事例を知りたい」
「IoTの技術を仕事や、生活の質の改善のために活用したい」
IoT技術はさまざまな業界で活用されています。日常生活にも応用されており、私たちの生活を便利にしてくれています。
しかし、具体的なイメージがつきにくい方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では『2030未来のビジネススキル19』の著者で、未来予測のプロであるフューチャリスト友村晋が以下の内容を解説します!
- 【製造】IoT活用事例3選
- 【物流】IoT活用事例3選
- 【医療】IoT活用事例3選
- 【農業】IoT活用事例3選
- 【家庭生活】IoT活用事例3選
仕事や日常生活をより便利なものにするためにも、まずは、IoT技術がどのような形で活用されているかを知りましょう!
【製造】IoT活用事例3選


ここでは、製造業界でのIoT活用事例を紹介します。
- トヨタ自動車株式会社
- 株式会社日立製作所
- 株式会社小松製作所
IoT技術が製造業界でどのように活用されているのか、参考にしてもらえれば幸いです。
1. トヨタ自動車株式会社


トヨタ自動車株式会社では、社内のデジタル化をスピーディーに進めるための施策として、IoTプラットフォーム「SORACOM」を用いた業務効率化をおこないました。
SORACOMは、位置や速度、温度、湿度などのデータを収集できる手のひらサイズの機械です。各種データはスマホやPCから確認できます。
今回の施策では、SORACOMを工場内の物流カートに設置し、各カートの運行状況を手元の端末で確認できるようにしました。



物流カートの稼働状況の把握が容易になり、管理者の負担が大幅に減ったそうです!
SORACOMは、車が盗難された場合の位置情報の確認や、屋外で作業する場合の熱中症対策としても利用できます。使い方次第で、日常生活でも大いに役立つでしょう。
2. 株式会社日立製作所


株式会社日立製作所では、膨大なデータを現場に活かしきれていないという問題を「IoTコンパス」で解決するサポートをしています。
IoTコンパスを活用すると、工場内に散らばったさまざまなデータを集約できたり、集めたデータに簡単にアクセスできるようになったりします。
これにより、工場中を探し回らずに、欲しい情報を必要なときに得られるようになりました。
また、生産活動のあらゆる動きがデジタルデータとして保存可能になり、
- いつ
- どこで
- どのような材料で
- どのような条件で
のような情報がすべてわかるため、問題の早期発見と解決が実現します。



IoTコンパスを導入した工場では、部品一つひとつの管理が可能になり、迅速なトラブル解決ができるようになったそうです!
さらに収集したデータを使って、デジタル空間に工場を再現することも可能です。AIやシミュレーションなどの分析アプリを使うことによって、モノづくりの流れを最適化する確からしさとスピードが一気に高まると期待されています。
3. 株式会社小松製作所
KOM-MICSを活用すると、工作機械などの生産設備からあらゆるデータを収集できます。また、専用のアプリにより、改善点の発見と作業の効率化が容易にできるようになりました。



KOM-MICSを導入した結果、製品の加工時間の短縮につながったそうです!
さらにIoT活用が発展していけば人員不足だけでなく、
- 競争力の強化に必要なコスト削減
- 継承できない職人技の数値化
- 部品ごとの製造条件のデータ化と履歴の保存
といった、製造業が抱えるさまざまな課題を解決できることが期待されています。
【物流】IoT活用事例3選


ここでは、物流業界のIoT活用事例を3つ紹介します。
- Amazon
- 東芝デジタルソリューションズ株式会社
- ヤマト運輸株式会社
IoT技術が物流業界でどのように活用されているのか、参考にしてもらえれば幸いです。
1. Amazon
Amazonでは、IoTの活用により、本来人の手でおこなっていた作業を自動化し、作業の大幅な効率化を図っています。その一例が「Drive(ドライブ)」と呼ばれる自走式移動ロボットの利用でしょう。
Driveには、IDが振り分けられていて、自分で移動できるようになっています。
具体的には、専用の商品棚「Pod(ポッド)」の下のスペースに入り込み、棚を持ち上げ、商品を集める作業をする人や、仕分け作業をする人のところまで移送します。



DriveとPodの登場により、より迅速な発送と配送が可能になりました!
数百万もの商品から欲しいものを選べたり、最短翌日で商品を受け取れたりするのは、Amazonのたゆまぬ努力のおかげといえるでしょう。
2. 東芝デジタルソリューションズ株式会社


_東芝デジタルソリューションズ株式会社は、東芝グループでこれまで積み重ねてきた倉庫運営の経験をもとに、
- 庫内の見える化
- 庫内作業の最適化
- 輸送機材の追跡
などが可能になるIoTサービス「LADOCsuite®」を提供しています。
物流全体の流れを管理するシステム「LADOCsuite®/WMS」により、モノが出入りするときや倉庫の中で作業をおこなうときに発生する作業のデータ収集や分析が可能です。
情報を1か所に集めることによって、トラックへの指示や荷物の移動をスムーズにできます。



実際、忙しい時期に最大で約500分/日の時間短縮を見込んでいる企業もあるとのことです!
2022年からは、倉庫内の搬送ロボットや自動コンベアを制御するシステムと連携するサービス「LADOCsuite®/WES」の提供を開始し、人と機械の効率的な配置もサポートしています。
物流業界の人員が不足していくなか、私たちの欲しいものが当たり前のように自宅や店舗に届く状態を維持するには、IoTの進展は必要不可欠と言えるでしょう。
3. ヤマト運輸株式会社


ヤマト運輸株式会社では、IoTを活用した「クロネコ見守りサービスハローライト訪問プラン」というサービスを提供しています。



離れて暮らしている高齢の家族がいて心配だけど、毎日は行ってあげられない……という方におすすめのサービスでしょう!
サービスを利用するためには、申込後、寝室やトイレ、台所など生活空間で使用している電球を、ハローライト電球(IoT電球)に交換してもらう必要があります。
設置した電球が一定期間作動しない場合、異常検知のメールが自動的に発信されます。何かあったときの助けになる、すばらしいIoT技術ではないでしょうか。
なお、IoT技術が浸透するなかで自身の存在価値を高めていくには、それらを活用するためのスキルが重要になってきます。
こういった背景もあり、著書である『2030未来のビジネススキル19』では、最新テクノロジーを味方につける方法を紹介。
小難しい話や単語を極力使わずに解説しているので、ぜひ手にとってみてくださいね!
【医療】IoT活用事例3選


ここでは、医療業界でのIoT活用事例を紹介します。
- ダヴィンチ
- 着用型ウェアラブルデバイス
- スマートベッドシステム
IoT技術が医療業界でどのように活用されているのか、参考にしてもらえれば幸いです。



医療業界は、IT技術による伸びしろがある分野です!
1. ダヴィンチ


医療業界でのIoT活用例にダヴィンチがあります。ダヴィンチは、遠隔で操作できる手術支援ロボットで、患者さんに直接触れることなく、手術ができる環境を実現しました。
ダヴィンチを使用した手術では、体に小さな穴(5〜12mm程度)をあけるだけですむため、術後の痛みが少なく、早期退院ができるというメリットがあります。
ただし、現時点ではすべての手術に対応していません。



知り合いの医師は、現段階での実用化は難しくても、ゆくゆくは必ず使えるようになると言っていました。
日本にいたまま、心臓のバイパス手術を世界的名医におこなってもらえる将来も遠くはないでしょう。
2. 着用型ウェアラブルデバイス


着用型ウェアラブルデバイスには、さまざまな用途のものがあります。
たとえば、腕時計型ウェアラブルデバイス「HeartGuide」には、血圧や一日の活動量、睡眠の質などを測定する機能が備わっています。



着用型ウェアラブルデバイスを活用すれば、自身の健康状態の把握に役立つでしょう!
着るタイプのウェアラブルデバイスである「着用型自動除細動器(WCD)」は、素肌に直接着用するタイプのもので、突然の心停止に対して、自動で電気ショックをおこなってくれます。
このほかにも、従業員の熱中症対策に用いられるデバイスや、高所から転落した際にメッセージを通知する機能を備えた端末などがあります。
3. スマートベッドシステム


IoT技術を活用すれば、ベッドも最新技術を搭載したデバイス端末になります。その一例が、パラマウントベッド株式会社が提供している「スマートベッドシステム」でしょう。
スマートベッドシステムを活用すれば、血圧や体温、心拍数などのバイタルサインや、睡眠状態などの情報がリアルタイムでデータ化されます。
また、それらの情報は、ナースステーションの端末や、看護師がもつスマートフォンなどでも確認が可能なため、患者さんの状態をリアルタイムで把握できます。



スマートベッドシステムがあれば「いつでも見守ってもらえている」という安心感をもって入院生活を送れるでしょう!
今後訪れる超高齢化社会において、スマートベッドシステムは、入院する人にとっても、医療従事者にとっても、欠かせない医療機器の一つになるかもしれません。
【農業】IoT活用事例3選
ここでは、農業分野でのIoT活用事例を紹介します。
- 株式会社クボタ
- ヤンマーホールディングス株式会社
- 株式会社スカイマティクス
IoT技術が農業でどのように活用されているのか、参考にしてもらえれば幸いです。



農業ほど、アナログで効率化できる業界はありません!
1. 株式会社クボタ


株式会社クボタでは、IoTやAIなどのテクノロジーを駆使して、スマート農業の普及に取り組んでいます。
代表的なものが自動運転農機「アグリロボ」シリーズで、2020年1月には人が運転しなくてもよい、完全無人電動トラクターを発表しました。



AIが気温や湿度などを計測し、水をまく量を自動で調節できるすぐれもの!
ほかにも、作物の育成状況などのデータを収集・分析し、適切な収穫時期を判断したり、効率的な収穫ルートを考えたりもできます。
完全無人電動トラクターが普及すれば、人の手でおこなう作業が激減し、より効率的な農作物の生産が可能になるでしょう。
2. ヤンマーホールディングス株式会社


ヤンマーホールディングス株式会社も、GPSアンテナと通信端末を搭載した「スマートアシスト搭載機」を活用した農業の効率化に取り組んでいます。



スマートアシスト搭載機があれば、コストと手間を最小限に抑えながら、農業に取り組めるでしょう!
たとえば、稲や麦などを刈り取るコンバインに異常が起きた場合、IoT技術があれば、自動で担当者に連絡がいき、トラブルの原因究明や部品の手配などの対応をおこなってもらえます。
また、スマートアシスト搭載機なら、トラクターなどの位置を常に監視できるため、近年多発している盗難の防止にも役立ちます。
農業機械とIoTの掛け合わせにより農業の効率化が進めば、新鮮な農作物を安定して購入できるようになるでしょう。
3. 株式会社スカイマティクス
株式会社スカイマティックスでは、2017年よりドローンとAI画像解析を活用した「IROHA」というサービスを展開しています。
ドローンが農地や作物の状態を撮影し、画像データに変換・記録してくれるため、広大な農地の全体像を一瞬で把握できるようになりました。



ドローンで畑を撮影。作物の状態をみて収穫時期を自動で判断可能に!
また、記録された画像データは、インターネットを通じて、遠く離れた人にも共有できます。
農地の状況をほかの農家の人にシェアし、的確なアドバイスをもらえる環境を整えられれば、農業経験が少ない人でも、安心して農業に取り組める未来がやってくるでしょう。
なお「フューチャリスト友村晋のYouTubeチャンネル」では、IoTやDXなどに関する最新情報や具体的なノウハウを発信しています。技術革新が高速で起こる現代で生き抜く力を身につけるためにも、ぜひ参考にしてください。
\ 情報の勝ち組になろう /
【家庭生活】IoT活用事例3選


最後に、家庭生活でのIoT活用事例について紹介します。
- スマートロック
- スマート家電
- スマートスピーカー
IoT技術で生活の質を向上させたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。



日常生活を豊かにするIoTデバイスは、今後もどんどん普及するでしょう!
1. スマートロック


スマートロックは、スマートフォンなどを使用して鍵の開閉ができるシステムで、いろいろなメーカーが独自の商品を販売しています。
スマートロックを利用すると、スマートフォンがドアに近づくだけで鍵を開けてくれるため、両手が荷物で塞がっていてもスムーズに家に入れます。



鍵とIoT技術の組み合わせによって、ドアの前でもたつくストレスから解放されるでしょう!
ドアが閉まったことを検知して、自動で鍵を閉めてくれるオートロック機能もあるため、鍵のかけ忘れを心配する必要もなくなります。
鍵の開閉を楽にするスマートロックを活用すれば、生活の質がワンランクアップするでしょう。
2. スマート家電


IoT技術は、冷蔵庫やエアコン、洗濯機など日常生活で使用する家電にも活用されています。



IoTを活用したスマート家電を利用すれば、家事の時短ができたり、電気代を節約できたりします!
- 各食材の最適な保存方法を教えてくれる
- 冷蔵庫内の画像をスマートフォンで確認できる
- 食材が少なくなったり、消費期限が近づいたりすると通知で知らせてくれる
- 食材が少ないときや、日中誰もいないときなどに自動で省エネ運転にしてくれる
IoT技術が活用されている冷蔵庫なら、食材の買い忘れや使い忘れを防止できたり、すでに買ってある食材の購入を防げたりします。
- 外出先から部屋の温度や湿度を確認できる
- 外出先からでも電源のオン・オフができたり、設定温度の変更ができたりする
- 電源オンのまま出かけると通知してくれる
IoT技術が活用されているエアコンがあれば、寒い日は暖かい部屋に、暑い日は涼しい部屋に帰宅できます!
- 帰る時間を狙って外出先から洗濯を開始できる
- 洗濯が終了するとスマートフォンに通知してくれる
- 自動投入タンク内の洗剤や柔軟剤の残量が少ないと教えてくれる
ほかにも、BDレコーダーであれば録画した番組やTV番組がスマートフォンでみられたり、カーテンであればアプリを使用して開閉ができたりします。



スマート家電があれば、生活の質をグッと向上させられるでしょう!
3. スマートスピーカー


スマートスピーカーには、Amazonが販売している「Alexa」や、Appleが販売している「HomePod mini」などがあります。
音楽を聞けるのはもちろん、音声でさまざまな指示をだせるのが大きな魅力です。
たとえば「Alex、買い物リストに牛乳を追加して」と言うと、買い物リストを自動で作成してくれます。



自宅ではAlexaを活用して、電気やエアコンを音声で操作できるようにしています!
音声だけでやりたい作業をこなせたり、家電を操作できたりする便利さを体験したら、スマートスピーカーがない生活には戻れないかもしれません。
YouTube動画「2025年、人は「買い物」をしなくなる?サラタメさん、本要約チャンネルさん、も紹介の近未来の衝撃本の書評」では、IoT技術で買い物しているという意識がなくなる未来について解説しています。ぜひ参考にしてください!
ぜひ本記事を参考に、IoTをご自身の仕事や生活に取り入れるキッカケにしていただければ幸いです。
なお、こちらの記事「【セミナー講師直伝】DXのわかりやすい例を3STEPで解説!成功事例や身近な例もあわせて紹介」では、DXの定義や導入方法などについて紹介しています。DXの進め方を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください!


IoTやAIなどに関する最新情報は「フューチャリスト友村晋のYouTubeチャンネル」でも発信しています!動画は定期的に追加していくので、ぜひチャンネル登録をして、見逃さないようにしてくださいね!
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