「人型ロボットを開発している各企業について詳しく知りたい」
「人型ロボットの市場と今後の展開について知りたい」
「人型ロボットの活用が実生活にどのような影響を与える?」
SFやアニメなどでしか見たことがなかった人型ロボットですが、すでに産業用ロボットとして工場や物流の現場などで活躍しています。最新技術の発展により、人型ロボット(ヒューマノイドロボット)と共に生活する未来が現実味を帯びてきています。
その一方で、人型ロボットを開発しているメーカーや、ロボットが変えるであろう私たちの生活について、よくわからないと感じている人は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では『2030未来のビジネススキル19』の著者で、未来予測のプロであるフューチャリスト友村晋が以下の内容を解説します!
- 人型ロボット(ヒューマノイドロボット)とは
- 世界が注目している理由
- 「人型」であるべき理由
- 人型ロボットの今後と日常生活に起こり得る変化
- 人型ロボットメーカーの世界ランキング
世界の人型ロボットメーカーの特徴を確認して、ロボットへの理解を深めましょう!また、最新技術に興味を持つことは、加速化する時代に取り残されないためにも大切なことです。
なお「AIエージェントや生成AIについてもっと詳しく知りたい」「社内の人にも活用方法を理解してほしい」といった悩みを解決したい場合は、セミナーの依頼も検討してみてください。
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人型ロボット(ヒューマノイドロボット)とは?


人型ロボットに明確な定義づけはありませんが、人間の体のつくりや動きを参考に設計された二足歩行ロボットのことを指します。
ひと昔前のロボットのイメージとは異なり、最近の人型ロボットはスムーズに動いたり、AIと融合して人間と会話ができたりします。
また、自分の意志をもって作業することができる人型ロボットが存在するなど、目まぐるしく発展しています。



まさに、SFやアニメで見た世界が現実になろうとしています!
最新の人型ロボット市場の現状
人型ロボットの市場には大きな期待がよせられており、2024年の人型ロボットの市場は約15億ドル(約2,130億円)と推定されています。
さらに、2035年には380億ドル(約5兆4000億円)にまで市場が拡大すると予測されています。



加速する世界に取り残されないようにしなければなりません。
人型ロボットに世界が注目している3つの理由


世界の企業が積極的に人型ロボットの開発や投資をしている主な理由は、以下の3つです。
- 労働力の代替
- 深刻な人手不足の解消
- 軍事分野での活用
それぞれの注目ポイントをみていきましょう。
1.労働力の代替
人型ロボット(ヒューマノイドロボット)は「人間の労働に変わる存在」として、世界各国から関心を集めています。
世界の経済活動の約半分は、ヒトの働きによって支えられています。1年で動く市場のお金に換算すると、約40億ドル(約6,200兆億)と見積もられています。



各企業は、膨大な市場規模にビジネスチャンスを感じています。
くわえて、人型ロボットが人間の代わりに働いてくれると、時間的な余裕がうまれるようになり、一人ひとりが理想とする生き方を実現しやすくなるでしょう。
新たな市場の可能性とより良い暮らしの実現のために、世界中の企業が人型ロボットに注目しています。
2.深刻な人手不足の解消
働き手の不足を補う存在としても、人型ロボットに期待が寄せられています。
多様な業務が求められる現場においても、状況に応じて適切に動ける柔軟性を備えているからです。
とくに、警備や医療、災害救助など危険がともなう仕事への活用が期待されています。



実際、警備会社であるセコムは、公共スペースの警備に「cocobo(ココボ)」というロボットを導入しました!
AIや5Gの技術が活用されていて、常駐警備員の代わりに巡回や点検業務などをおこなえる。不審物や倒れている人を発見した場合、自らの判断で防災センターに通知し、警備員と連携して問題解決を図れる。
人型ロボットの普及が進めば、深刻な問題となっている人手不足の解消に大いに役立つでしょう。
3.軍事分野での活用
人型ロボットは、防衛・軍事領域においても関心を集めています。AI技術を搭載したドローンやロボットが、戦力の一部として存在感を強めているからです。
実際、アメリカのオハイオ州では、AIが搭載された兵器(自立型兵器)の生産を目的に、巨大な工場を建設する計画を発表しました。



四足歩行のロボットの背中に、銃を背負わせるような技術の開発もされているようです。
戦争と先端技術の結びつきが強まるなかで、人型ロボットは軍事利用の観点からも関心を集めています。
人型ロボットが「人型」であるべき3つの理由


人型ロボットが「人型」であるべき理由は主に3つあります。
- 社会インフラにフィットする
- 人間との自然なコミュニケーションが可能になる
- 人間に親しみを与え心理的な壁を和らげる
それぞれ見ていきましょう。
1.社会インフラにフィットする
人型ロボットが人型であるべき理由のひとつに、人間社会の生活になじみやすいという点があるでしょう。
社会や生活を支える仕組み(ドアや階段、車など)は、ヒトが使いやすいように設計されているからです。
たとえば、洗濯機や衣類を干す場所は、人間が作業しやすいように設計されています。人型ロボットであれば、ヒトと同じような動作が可能なため、既存の環境でも効率的に作業をおこなえます。



人型ロボットは、工場や物流など産業用での活用が広がったあとに、家庭内での利用が一般的になると見込まれています。
社会の仕組みに適応できる人型ロボットが普及すれば、日常の暮らしは今とはまったく違ったものになるでしょう。
2.人間との自然なコミュニケーションが可能になる
人間と違和感なく対話できるという点においても、ロボットは人型の形状が適しているといえるでしょう。
人間同士のコミュニケーションでは、言葉でのやり取りだけでなく、表情や視線、ジェスチャーなどを交えた非言語のやり取りがおこなわれるからです。
たとえば、笑顔やうなずき、優しいまなざしといった仕草は、それだけで「あなたを大切にしています」という気持ちを伝え、相手に安心感を与えます。こうした非言語のやりとりは、信頼関係を築くうえで欠かせません。



ヒトとスムーズに交流できるよう、身ぶりや表情を取り入れて話す人型ロボットが登場しています。
言語以外の手段でも人間と意思疎通できる人型ロボットが一般化すれば、ロボットと共に生きる未来がぐっと身近に感じられるはずです。
3.人間に親しみを与え心理的な壁を和らげる
人間にとって親しみやすい存在になれるという点も、人型ロボットが望ましいとされる理由の一つでしょう。
ヒトに近い姿のほうが身近な存在として受け入れられやすく、警戒心を抱かれにくくなるからです。
実際、ある介護施設では、Palro(パルロ)という人型ロボットが導入されていて、入居者と楽しく会話をしたり、一緒にレクリエーションをしたりしています。
富士ソフト株式会社が製造したロボット。ヒトと楽しく会話するクイズを出すなど、さまざまなコミュニケーションを取れる。相手との過去のやり取りをもとに、次の会話で最適な話題を選べる能力がある。



人型ロボットが進化していけば、頼れるパートナーとして、今よりももっと身近に感じられる存在になるでしょう。
人型ロボットの今後と日常生活に起こり得る変化


人型ロボットの今後の展望と日常生活で起こりうる変化は以下の通りです。
- AIとの融合で「考える」ロボットが誕生する
- 生活水準が著しく向上する可能性がある
それぞれ解説していきます。
1.AIとの融合で「考える」ロボットが誕生する
人型ロボットの技術がさらに発展すると、自分で考えて行動できるロボットが登場すると見込まれています。
AI技術の発展により、状況に応じて自分で考えたり、過去の経験から学んで成長したりするなど、人間のように思考・判断する力を獲得しはじめているからです。
実際、BMWの自動車工場でテスト導入されていた人型ロボットは、人間からの細かい指示がない状況でも、スムーズに業務をこなせたそうです。



自分で考えて動けるロボットが広く普及すれば、ヒトが危険な作業をする機会がなくなるかもしれません。
2.生活水準が著しく向上する可能性がある
今後、人型ロボットがいろいろな場面で使われるようになれば、人間の暮らしがより豊かになっていく未来が期待できるでしょう。
人件費や商品をつくるコストが削減されて、手頃な価格で商品やサービスを購入できるようになるからです。
くわえて、人型ロボットがロボットを自分でつくれるようになれば、人間の作業が必要となる場面が減り、時間的な余裕もうまれるでしょう。



実際、人型ロボットは、製造業やサービス業、教育現場など幅広い分野で活躍できる能力を備えています。
人型ロボットの導入が進めば、人間の生活はより豊かになりますが、さまざまな仕事がロボットに置き換えられてしまう可能性もあります。AI時代を生き抜くためにも、人間にしかできない力を高めていきましょう。
AIやロボティックなどの最新技術を有効活用する方法は、著書『2030未来のビジネススキル19』で詳しく解説しています。
最新テクノロジーを使いこなせる人材になりたい人は、手にとって参考にしてみてください。
【独自】人型ロボットメーカーの世界ランキング20位


ここでは、人型ロボットを生産しているメーカーをランキング形式で紹介します。
企業名 | 写真 | モデル名 | 国名 | 価格 | 主要出資企業 | 上場状況 |
---|---|---|---|---|---|---|
テスラ (Tesla・特斯拉) | ![]() ![]() | Optimus | アメリカ | 約2万~3万ドル(300万円程) | 最大株主はCEOであるイーロンマスク氏 | 上場 |
ボストン・ダイナミクス (Boston Dynamics・Boston Dynamics公司) | ![]() ![]() | Atlas | アメリカ | 情報なし | 現代自動車グループ | 未上場 |
ユニツリー (Unitree・宇树发布) | ![]() ![]() | G1・H1 | 中国 | ・G1:1万6,000ドル (約230万円) ・H1:12万ドル(約1700万円) | 中国の生活関連サービス最大手の美団(Meituan) | 未上場 |
フィギュアAI (Figure AI・图形人工智能) | ![]() ![]() | Figure 02 | アメリカ | 情報なし | マイクロソフト 、Nvidia | 未上場 |
川崎重工(Kawasaki Heavy Industries・川崎重工业) | ![]() ![]() | Kaleido | 日本 | 非公開 | 該当なし | 上場 |
シャオペン(Xpeng・小鵬汽車) | ![]() ![]() | Iron | 中国 | 情報なし | 情報なし | 上場 |
アギボット (Agibot・智元機器人) | ![]() ![]() | Yuanzheng A2 | 中国 | 情報なし | 中国ネット大手のテンセント | 未上場 |
フーリエ インテリジェンス(Fourier Intelligence・傅利葉智能 ) | ![]() ![]() | GR-2 | 中国 | 情報なし | Prosperity7 | 未上場 |
ワンエックス・テクノロジー (1X Technologies・1X科技) | ![]() ![]() | NEO | アメリカ | 情報なし | EQT Ventures、Samsung NEXT | 未上場 |
パル・ロボティクス(PAL Robotics・PAL机器人公司) | ![]() ![]() | REEM-C | スペイン | 約30万ユーロ(約4,800万円) | 欧州連合(EU)からの資金提供 | 非上場 |
ロボット・エラ(Robot Era・星動紀元) | ![]() ![]() | Star1 | 中国 | 情報なし | 情報なし | 未上場 |
アジリティ・ロボティクス (Agility Robotics・敏捷机器人公司) | ![]() ![]() | Digit | アメリカ | 情報なし | Amazon | 未上場 |
エンジンAI (EngineAI・引擎智能) | ![]() ![]() | PMO1 | 中国 | 情報なし | Stone Venture | 未上場 |
サンクチュアリAI (Sanctuary AI) | ![]() ![]() | PhoenixGEN7 | カナダ | 情報なし | BDC Capital、InBC、アクセンチュア | 未上場 |
ブースターロボティクス(Booster Robotics・步世达机器人) | ![]() ![]() | Booster T1 | 中国 | 情報なし | Bianan Times、Source Code Capital | 未上場 |
アプトロニック (Apptronik・阿普特罗尼克公司) | ![]() ![]() | Apollo | アメリカ | 情報なし | Googleやメルセデス・ベンツ | 未上場 |
ハンソンロボティクス(Hanson Robotics・汉森机器人技术公司) | ![]() ![]() | Sophia | 香港 | 情報なし | 情報なし | 未上場 |
エンジニアード・アーツ (Engineered Arts・工程艺术) | ![]() ![]() | Ameca | 英国 | 情報なし | Helium-3 Ventures | 未上場 |
北京HRIC (Beijing HRIC・北京华人智能机器人公司) | ![]() ![]() | Tiangong | 中国 | 情報なし | 情報なし | 未上場 |
ケプラー (Kepler・凯普勒机器人) | ![]() ![]() | Forerunner K2 | 中国 | 情報なし | 情報なし | 未上場 |
ひとつずつ解説していきます。
1位:テスラ(Tesla・特斯拉)


テスラは世界大手の電気自動車(EV)のメーカーであり、販売や製造のほかに自動運転技術や蓄電池などさまざまな事業を展開している上場企業です。
最大株主はCEOであるイーロンマスク氏であり、4億1000万株以上を保有しています。
そんなテスラが開発した人型ロボットのOptimus(オプティマス)には、電気自動車で磨いたバッテリー技術とテスラが独自に開発したAIチップ技術が活用されています。
テスラから公開された動画では、施設内を自由に歩き回ったり、指先を使って小さなモノを掴んだりしている様子が確認できます。



Optimusの価格は、2~3万ドル(約300万円)です。
イーロンマスク氏は2027年に火星に行くことを目標にしており、電気自動車や人型ロボットの分野以外でも注目していきたい企業です。
2位:ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics・Boston Dynamics公司)


ボストン・ダイナミクスは、人型ロボットの研究開発を手がけるアメリカの企業です。
2021年6月に現代自動車グループが経営権の取得をおこない、全株式の80%を取得しました。その際、評価された企業価値は11億ドル(約1,500億円)に達しています。
そんなボストン・ダイナミクスが開発した人型ロボットがAtlas(アトラス)です。アクロバティックな動きが得意で、側転や前回りなどをおこなえます。
2足ロボットの弱点は、バランスを取りづらく転倒をしてしまう点です。しかしAtlasは、2足ロボットの弱点を見事克服しています。



スムーズな動きができるAtlasは、災害支援の現場での活躍に期待ができるでしょう。
3位:ユニツリー(Unitree・宇树发布)


ユニツリーは中国の企業で、中国の生活関連サービス最大手の美団(Meituan)が主な出資者です。もともと4足歩行のロボットを開発していましたが、人型ロボットの開発にも力を入れはじめています。
ユニツリーの代表的な人型ロボットは、G1(ジーワン)とH1(エイチワン)です。自ら起き上がることができたり、後ろから蹴とばされてもバランスを保ち続けたりすることができます。
両者大きさが異なり、G1は身長約127cm、H1は身長約180cmに設定されています。
価格については、G1が1万6000ドル(約230万円)で販売されており、テスラのOptimusの約300万円~より安く購入できます。
一方で、H1の価格は12万ドル(約1700万円)に設定されています。



G1は、破格な値段で販売していることにも注目です。
4位:フィギュアAI (Figure AI・图形人工智能)


フィギュアAIはアメリカの人型ロボットの大手メーカーです。フィギュアAIが開発したロボットFigure 02(フィギュア02)は、BMWの工場ですでにテストとして導入されています。
主な出資企業は、マイクロソフトやNvidiaなどです。
2024年1月に開発されたFigure 01では、上からワイヤーに吊るされている状態で、人間の17%の速度でしか歩けませんでした。
一方で、Figure 02は、人間の平均歩行スピードよりやや遅いものの、ワイヤーなしで時速4.3キロメートルでの歩行が可能になりました。
フィギュアAIの技術の進歩は早く、新しいモデルHELIXでは、人間の発した言葉を理解したり、人型ロボット同士で協同作業ができたりします。



洗練されたデザインで、商業用でも家庭用でも普及できるように開発されています。
5位:川崎重工(Kawasaki Heavy Industries・川崎重工业)


川崎重工は日本の企業であり、船舶や鉄道車両、モーターサイクルなど多彩な事業を展開する上場企業です。
川崎重工が開発したロボットKaleido(カレイド)は、災害が多い日本で災害支援や援助を念頭に開発されたロボットです。
モーターサイクル事業でつちかったセンサー技術などを応用して、人間と協力して荷物を持ったり、モノを投げたりすることもできます。
さらに、2025年には人型ロボットではありませんがCORLEO(コルレオ)が発表されました。


CORLEOは人を乗せることができ、車では行くことができない場所にいち早く救助や救援物資を届けることが可能です。



KaleidoがCORLEOに乗って、被災地に向かい救助作業をおこなえば、助かる命も多くなるかもしれません。
6位:シャオペン(Xpeng・小鵬汽車)


シャオペンは中国の電気自動車を製造しており、NYSEに上場している企業です。
シャオペンの代表的なロボットはIron(アイアン)で、60もの関節をもっています。すでに自社工場で稼働していて、工場作業をスムーズにこなしています。



lronは、車の生産だけにとどまらず、多方面の分野や家庭への展開も計画しています。
7位:アギボット (Agibot・智元機器人)


中国のスタートアップ企業アギボットは、テスラのOptimusに対抗するロボットの開発を目指しています。2025年4月には、中国ネット大手のテンセントなどから資金調達をしました。
アギボットの代表的な人型ロボットは、Yuanzheng A2です。受付や案内などを得意としていて、スーパーや展示会への導入が進んでいます。
Yuanzheng A2には高度なカメラが装備されており、顔認識や騒音で音声が聞き取れない際は読唇術で状況を把握します。なお、読唇術の精度は96%に達します。



手の動きも繊細で、コップに水を注ぐことができたり、机に置かれた細い針を掴んだりできます。
8位:フーリエ インテリジェンス(Fourier Intelligence・傅利葉智能)


フーリエインテリジェンスは中国の企業で、医療用リハビリロボットの開発をメインにおこなってきました。主な出資者はProsperity7などがあげられます。
そんなフーリエインテリジェンスから、2024年の9月に発表された人型ロボットがGR-2(ジーアール2)です。身長は175㎝で重さは63㎏、片腕で持てる重量は最大3kgで、複雑な作業にも対応できます。
GR-2の手には、6つの触覚センサー(ふれた感覚を再現するセンサー)が隙間を開けずに配置されています。それにより、モノの形状や触った感じを把握して、握る力を瞬時に調整することができます。



GR-2は、さまざまな言語での対応が可能です!銀行や車の販売店、観光地などの現場で実際に活用されているそうです。
9位:ワンエックス・テクノロジー(1X Technologies・1X科技)


ワンエックス・テクノロジーは、人間のような動作ができる人型ロボットを開発・製造しているアメリカの企業です。
2024年1月には、1億ドル(約142億円)を調達し、急成長をしている人型ロボットメーカーのひとつです。
ワンエックス・テクノロジーが開発した家庭用向けロボットのNEO(ネオ)は、家のなかでの日常的な作業のサポートをおこなうために作られたロボットです。
身長は165㎝、重さは30㎏あり、最大75㎏の荷物を持ち上げることができます。
NEOは衣服を着ており、人間の生活に馴染むような柔らかさがあるロボットになっています。



人々との暮らしの調和に焦点をあてたロボットです。
10位:パル・ロボティクス(PAL Robotics・PAL机器人公司)


パル・ロボティクスはスペインにある企業です。2004年に設立されており、自動化技術サービス(業務の自動化を支えるサービス)を提供するリーダー的な存在です。
欧州連合(EU)からの期待が大きく、EUから資金提供を受けて人型ロボットの開発を進めています。
2013年に発表されたREEM-C(リーム-シー)は、身長165㎝、重さ80㎏の人型ロボットです。手で扱える重量は1㎏、腕全体では10㎏のモノを持ち上げられます。価格は30万ユーロ(4,800万円)です。
REEM-Cは、時速2.5㎞まで安定して歩くことができ、座ったり階段を上ったりすることもできます。



30以上の言語にも対応できます!
11位:ロボット・エラ (Robot Era・星動紀元)


ロボット・エラは、中国の人型ロボットのメーカーです。
最高時速13キロメートルだせる人型ロボットstar1(スターワン)を開発し、注目を集めています。



2024年と2025年4月に北京でおこなわれた、ハーフマラソンに参加しました!
また、star1がゴビ砂漠を走る姿が公開された動画は、SNSで大反響となりました。
star1には、高度なAI処理により周囲の環境を的確に捉える能力があるため、ゴビ砂漠のような複雑な地形でも対応できるようになっています。
12位:アジリティ・ロボティクス (Agility Robotics・敏捷机器人公司)


アジリティ・ロボティクスは、アメリカオレゴン州セーラムに本拠地を置くロボット企業で、主な出資企業はAmazonです。
アジリティ・ロボティクスの人型ロボットであるDigit(ディジット)は、Amazonの工場で働いています。
Digitは、最大で約16kgのモノを持ち上げることができ、荷物をベルトコンベヤーへ乗せたり、従業員に渡したりする能力があります。



どんな地形でも歩行できるように、足がダチョウやツルのような形状になっているのも特徴のひとつです。
13位:エンジンAI (EngineAI・引擎智能)


エンジンAIは、2023年に設立された中国の人型ロボットメーカーです。主な出資企業はアラブ首長国連邦(UAE)に拠点を置くStone Ventureで、約2,800万ドル(約39億円)の資金調達がおこなわれました。
そんなエンジンAIから、2024年12月に発表された人型ロボットがPMO1です。2025年2月には、世界で初めて前方宙返りを成功させた人型ロボットとして注目を集めました。
PMO1は、反応の速さやバランスを保つ能力を備えており、倒れそうになったときも素早く体勢を立て直せます。



人と一緒に、カンフーダンスを踊れる身体能力も備えています!
14位:サンクチュアリAI (Sanctuary Al)


サンクチュアリAIは、2018年にカナダのバンクーバーに設立された企業で、これまでに1億4,000万ドル(約200億円)の資金調達を成功させています。
サンクチュアリAIの人型ロボットであるPhoenix GEN7(フェニックス・ジェンセブン)は、とくに手の動きが繊細です。指で触れる程度でも感知することができるため、細かな作業もおこなえます。



ヒトの手の動きを忠実に再現する研究に力を入れていて、人間の手に近い器用さと力強さを兼ね備えています。
ケースに小物をいれる作業では、箱のなかにしっかりと収まるように、自らモノの位置を調整する柔軟性もみせてくれています。
15位:ブースターロボティクス(Booster Robotics・步世达机器人)


ブースターロボティクスは、2023年に中国で設立された人型ロボット開発企業です。設立して間もない企業ですが、身体能力の優れた人型ロボットを開発しています。
主力製品は、boosterT1(ブースターティーワン)で、寝た状態から起き上がれたり、ロボット同士でサッカーができたりします。
前後の衝撃にも転倒せずにバランスを保つことができます。認知機能も優れていて、サッカーボールを認識してボールに向かうこともできます。



booster T1は、ロボカップ(AI搭載自律ロボットによる競技大会)のオフィシャルパートナーになりました。
16位:アプトロニック (Apptronik・阿普特罗尼克公司)


アブトロニックはアメリカテキサス州にある企業です。人手不足の解消や安全な職場環境の実現などを目指してロボット開発をしています。
主な出資企業は、Googleやメルセデス・ベンツなどで、総額4億300万ドル(約600億)の資金調達を成功させました。
アブトロニックの代表的なロボットはApollo(アポロ)です。身長は約172 cm、重さは約72㎏あり、一度に約25kgの重さのモノを運べます。
目や口のあたり、胸には液晶画面があり、Apolloの現在の状態が表示される仕様になっていて、人間とのコミュニケーションが取りやすいように開発されています。



Apolloは、物流や製造業だけでなく、建設業や医療、家庭内支援など、さまざまな分野での活用を目指しています。
17位:ハンソンロボティクス(Hanson Robotics・汉森机器人技术公司)


ハンソンロボティクスは、香港に本社を構えている企業です。人間に似た外見と表情を持つ人型ロボットの開発を専門としています。
ハンソンロボティクスの代表的な人型ロボットはSophia(ソフィア)です。皮膚はシリコン皮膚でできていて、会話中にコロコロと表情を変えられます。
さらに、ジェスチャーを交えて会話をするため、まるで人間と会話してるかのように楽しむことができます。
またSophiaは、ジョークを交えて会話をすることができます。言葉の理解をしつつ、ユニークに返答できるのはSophiaの魅力のひとつです。
ハンソンロボティクスは、Sophiaの小型版、Little Sophia(リトル・ソフィア)という手乗りサイズの人型ロボットも開発しています。



動画では、子どもと楽しく会話をしながら、勉強の手助けをおこなっている様子がわかります。
18位:エンジニアード・アーツ (Engineered Arts・工程艺术)


エンジニアード・アーツは、2004年に英国で設立された企業です。これまでに総額1,620万ドル(約23億500万円)の資金調達に成功しています。
エンジニアード・アーツ社の代表的な人型ロボットAmeca(アメカ)は、人間に似たリアルな表情を出せるロボットです。
司会者の言葉を理解して対話できたり、会話に合わせて表情を変化させたりできることがAmecaの魅力のひとつです。



ジェスチャーのバリエーションも豊富なため、よりリアルな会話を楽しめるでしょう。
動画内では、表情+ジェスチャー(シーのポーズや肩を上げてあきれるなど)の難しい動作をこなしています。
19位:北京HRIC (Beijing HRIC・北京华人智能机器人公司)


北京HRICは、中国に拠点を置く国策主導のロボット研究開発機関で、2023年に設立されました。
北京HRICの代表的な人型ロボットはTiangong(ティンゴン)です。身長は163㎝、体重は43㎏あり、北京のハーフマラソンに参加しました。
Tiangongの平均速度は時速6キロメートルあります。安定して走れるのはもちろん、スロープや階段の上り下りもできます。



Tiangongは、2025年4月におこなわれた北京市のハーフマラソン大会で見事に優勝しました。
20位:ケプラー (Kepler・凯普勒机器人)


ケプラーは2023年に中国で設立されたベンチャー企業です。
代表的な人型ロボットForerunner K2(フォアランナー・ケーツー)は、2024年10月にドバイで開催されたGITEX GLOBAL 2024でデビューした産業特化型ロボットです。



ケプラーは、日本企業(INSOL-HIGH株式会社)とパートナーシップを締結しています。
Forerunner K2の身長は178 cmで、重さは52キロあり、最大15 キロの荷物を持つことができます。
自ら学んだり人の動きを真似る能力を持つ高性能なAIが内蔵されているため、特定の作業であれば人の手を借りずに単独で作業をおこなえます。
ぜひ本記事を参考に、人型ロボットやAI技術などについて知り、時代に取り残されないようにしてください。
また、AIエージェントについて「社員にも教育する機会がほしい」という人は、出張公演も承っています!以下からお気軽に問い合わせください!